アトモスフィアデザイン(インテリア)

アトモスフィアデザイン(インテリア)

Q&A

ホテル・旅館、温泉施設の建築をご検討中の方には、さまざまな疑問や不安があるのではないでしょうか。ここでは、当事務所にご相談が寄せられたよくあるご質問を紹介し、Q&A形式で回答します。

料理が多いときのテーブルの補助

脇台を利用し、必要な時だけテーブルを広くする工夫

お料理が多く一時的にスペースが必要な時に、脇台やワゴンを利用しサービスをスムーズにストレスなく行うことができます。
ヒントとサンプル 

①ワゴン式の脇台兼ガス台。テーブルと高さを揃え、脇台としてテーブル脇にも付けることができます。また、ガス台を仕込み、お客様の目の前で簡単な調理ができるようにしています。(図1)
②必要な際にテーブルを広くできる、跳ね上げ付きのテーブルです。(図2)

図1
図2

お茶のセッティング

ディスプレイとしてみせ、装飾のようにきれいにみせます。
引き出しの中に収納し、すっきり気持ちよく、無駄を見せないようにします。
ヒントとサンプル

①デザインにこだわった茶器、可愛らしい茶筒、バランスよく置かれたセッティングなど、お客様がぱっと見たときに目をひくようなセットです。(図1)
②必要なものをコンパクトに引き出しへ入れます。引き出し内部はきちんと仕切られ、取り出しやすく使いやすいようにして、テーブル上はすっきりとした状態を保ちます。(図2,3)

図1
図2
図3

ソファベッドの寝心地を良くしたい

通常ベッドと変わらないソファベッドをつくる

既製品のソファベッドは便利で簡単ですが、マットレスの種類が限られてしまうため、通常のベッドと寝心地が変わってしまいます。
しかし、通常のベッドと同じマットレス+ボトムを使ったソファベッドにすることで、同じ寝心地を提供することができます。
ヒントとサンプル

①ソファ利用時は背を壁に固定し、アームとベッドが連結されています。ベッド利用時は座のカバーを外し、矢印の方向に引き出して、通常ベッド同様にセッティングします。(図1)
②座の部分は通常利用するベッドを利用します。(図2)

③参考セッティング(ソファ利用時)(図3)
図1
図2
図3

和紙のインテリア

和紙の風合いを生かしメンテナンス性を上げる工夫

和紙を使用したい場合でも汚れやすいため、和紙柄アクリル板や強化和紙を選定することが多くあります。
しかし、通常の手漉き和紙に後加工で撥水加工を施すことでその問題点を解決できます。
 ヒントとサンプル

①ブッフェレストランの間仕切りで使用の実例

席の間仕切りで和紙の優しい風合いにしたい場所でしたが、小さなお子様の多いブッフェスタイルの繁盛店でした。
そのため汚れが問題になりましたので、手漉き和紙に撥水加工を施して使用しました。(図1)
②和紙の風合いはそのままで、醤油をたらしても玉になり浸み込まず汚れにくくなりました。ただし、長時間そのままにしておくとシミになります。(図2)
図1
図2

木製のベッド台のデザイン

危険防止・軽量化のテクニック

ベッド台を木製で作る場合がありますが、「すねをぶつけて危ない」「重いので一度置いたら動かせない」
との意見をお聞きます。設計で軽減することが出来ます。
ヒントとサンプル

すねをぶつけて危ない↓
①角がとがっていると危ないのでなるべく大きめにR面をとります。(図1,2)
②マットレスからあまり飛び出させない。(図1,2)
重い↓
③床面との設置面が多いと摩擦で動かないので500ミリピッチ程度にそり脚をつけカーペットの毛足をかわす程度浮かせる。(図1,2)
④マットレスの下はスノコや有孔ボードにして軽量化する。湿気が溜らないよう空気の流れを作る意味でも必要です。(図1,2)

図1
図2

椅子のデザイン

汚れづらくするテクニック

椅子は手に触れるところの布が痛み張替周期が短くなりますが、デザインで軽減することが出来ます。
 ヒントとサンプル

①アーム部分は汚れ易いので、木部を出したデザインにすると良いです。(図1)
②レストランでは椅子を引く際に触る上部が汚れ易いので、手掛けを兼ねた木部のデザインにすると良いです。(図2)
③木部を出すデザインにしたくないが、背中がビニールレザーだと高級感が出ないという場合は、デザインで背上部のみをビニールレザーに貼り分ける方法もあります。(図3)

図1
図2
図3

既存を最大限利用したビュッフェレストラン設え

既存の厨房機器を組み込んだビュッフェ什器のアイデア

既存の冷蔵ケースや調理機器などを再利用し、改装ビュッフェレストランに合わせて作りかえる事で、コストを抑えつつ雰囲気を変える什器のデザインアイデアです。
ヒントとサンプル

①既存冷蔵ショーケースを家具で囲って製作しました。(図1)
②点検口や熱気をこもらせないよう開口を作る等注意が必要です。(図2)
③製作するカウンターの間にアイスショーケースをはさみ、機器自体に木目の塩ビシートを貼りこみました。(図3)

図1
図2
図3

壁面を布で飾る、したてる、間仕切る

カーテンを使って空間的、装飾的なしつらえ

部屋を間仕切りたいが、ボリューム感は押さえたい。予算的にも抑えたい場合に効果的です。
布地やカーテンで間仕切りをつくると曖昧で軽やかなしつらえを演出できます。
ヒントとサンプル

①布地で装飾的に間仕切りした例。(図1)
②レストランの間仕切りを圧迫感の無い紐カーテンで仕切りました。(図2)
③見せたくない壁をカーテンで隠し、装飾的に演出しました。(図3)

図1
図2
図3

空間を単調にみせない床のデザイン

カーペットや床材の張り分けテクニック

改装の場合など床を変えるだけで空間の雰囲気が変ります。
また長い廊下や単調なスペースを床の改装だけで変更する事が可能です。
ヒントとサンプル

①客室前に印象的な柄を入れた例。(図1)
②長い廊下にアクセントで柄を変更し、リズム感を与えました。(図2)
③エレベーターホールの入り口等に花が集まり、動線にもつながる特注デザインです。(図3)

図1
図2
図3

家具と壁面との関係を考えたディテール

壁面の凸凹を吸収し、汚れも防ぐ 雑巾ずり

建物の壁面は平らに見えても実はかなり凹凸があることが多いものです。
そんな壁面にデスク等の家具をぴったり寄せたい場合のテクニックです。
ヒントとサンプル

①「雑巾ずり」は本来、天板の雑巾がけによる壁面への汚れ付着防止のためのものですが置き家具の場合、この雑巾ずりを端部から少し離すことによって、壁面の凹凸を吸収し、いかにもぴったり壁にくっついているように見せられます。(図1)

図1

家具の端部を美しく丈夫にするディテール

家具の端部には無垢材を入れて美しく丈夫にする

安物のテーブルの天板や側板、扉などの端部には木目のテープ材が貼ってあったりしますが、これは経年劣化ではがれやすく、また上質感が損なわれてしまいます。

設計ではその部分のディテールを指示して、無垢材を入れるようにします。

 ヒントとサンプル

①天板の端部に入れる無垢材の厚みは様々です。意匠的に凝る事もできます。(図1)
②扉などの端部に突き板(薄い無垢材)を入れることによって耐久性が格段に向上します。(図2)

図1
図2

姿見(鏡)の設計テクニック

意匠性とメンテナンスも考えたディティール

単純なようで奥が深い姿見(鏡)のディテールです。

 ヒントとサンプル

①ミラーのエッジは映り込みで汚く見えてしまいます。図のようにミラーのエッジを額縁に被せる事でそれを防ぎます。(図1)
②ミラー自体が割れる事はめったにありませんが、ホテル・旅館の客室ではどんな事が起こるかわかりません。万一のときの事を考えて、裏側からミラーのみ交換できるようにしておきます。(図1)
③建物の壁は真っ平のようで実は凹凸がある事が多いのです。そんな場合でも姿見をぴったり壁に掛かっているように見せるには、壁との間に目地を設けてその凹凸を目立たないようにします。(図1)

図1

椅子とテーブルの丁度良い関係

座ったときの心地よい関係を

シチュエーションや用途に合わせた椅子とテーブルの高さの関係はある程度決まっています。
ヒントとサンプル

①畳の上でのスタイル、座椅子と座卓の関係です。正座をして脚が座卓の下に入るように注意します。(図1)
②ソファとティーテーブルの関係です。リビングでくつろぐ目的が第一の場合はテーブルの方が低く、お茶など飲食をする場合はテーブルの方が高い、ことが通常です。(図2)
③ダイニングチェアとテーブルの関係です。洋食、和食でも微妙に高さのバランスを変えることもあります。(図3)

図1,2,3

場所に応じた椅子脚裏のチョイス

使い方場所に適した椅子のつくりを

椅子のある床の仕上げ、用途によって、椅子と床の設置面の仕上げを変えていきます。いずれも、消耗品として定期的に交換して使っていただく事が多いです。
ヒントとサンプル

①なるべく滑って欲しくない箇所に使います。例えば、石床の洗面所のスツールなど。(図1)
②傷がつきやすい床で、滑りを良くしたい時に使います。(図2)
③より滑りやすく、スムーズな動きを持たせたい場合に利用します。例えば立ち座りの多いいブッフェスタイルレストランや、カーペットの摩擦で動きのわるい箇所など。(図3)
④畳の上の脚は面で設置する形です。畳にささくれがおきないよう、基本的には木を滑らかに仕上げたものにします。場合によっては、裏に滑り方に合わせたシート材を貼ります(図4)

図1,2,3
図3
図4

宿の写真を魅力的に感じさせたい

家具配置によって特別な空気感のある風景を演出する

椅子は座るためだけではなく、素材・形・配置によって、その風景の空気感を変えることができます。

ヒントとサンプル

①広々としたエントランスに庭を眺める家具が置かれています。内と外が繋がるような抜けの雰囲気が心地よい空間となっています。(図1)
②田んぼのテラスを見渡せる特等席です。遠くの山々と田んぼの景色がつながるように緑あふれる空間で寛ぐことができます。(図2)
③客室に暖炉を作り、その前にロッキングチェアを配置します。揺らぐ炎を眺めながら、ウトウトと心地よくなるような場所です。(図3)

図1
図2
図3

眠りの時を心地よく過ごす

和室でも洋室でも場所に見合った心地よさを提供

日本人に合わせた高さの洋室ベッド、和室に見合うベッド、3人目の利用が可能なソファベッド。

ヒントとサンプル

①洋室でベッドを利用する際でも、ベッドの高さは400〜450程度が立ちやすく、使いやすくなります。(図1)
②ベッドマットレスのみを使用したお布団のようなセッティングです。高さが300前後となり、低い目線の高さとなる家具を配置する和室に丁度よい高さとなります。(図2)
③通常はソファとして利用し、ベッド利用時はカバーを取るため手前に少し引き出してベッドを利用します。(図3)

図1
図2
図3

家具の配置変えによってスペースの機能を変える

建築デザインと家具の工夫によって様々な用途へ変貌する空間

家具、什器、備品のレイアウト変更によって、二毛作業態が可能な工夫をしました。

ヒントとサンプル

①普段はバーサロンとなっているスペースの椅子を変更し、十字架を置くだけでチャペルになります。(図1~2)
②朝食時はビュッフェレストラン、会議の予定が入り次第、可動式のビュッフェ台を収納し、コンベンションホールとなります。(図3)

図1
図2
図3

アートワークによって感動を呼ぶ空間づくり

コンセプト、施設の歴史や資産をアピールする方法

施設に物語性を持たせることで、デザインコンセプトや施設そのものに深みが増します。

ヒントとサンプル

①旅館の歴史、現存する昔の絵葉書などを額装してバーの壁面に飾り、ノスタルジックな雰囲気を作り出し、デザインコンセプトを伝える事ができます。(図1)
②廊下の何気ない壁に装飾パネルを設けて、単調な通路でしかない部分にギャラリーを作り、施設の歴史も同時に伝えます。(図2)
③歌舞伎というデザインテーマを象徴的なエントランス通路の壁面装飾で表現し、お客様を歌舞伎エンターテイメントレストランへ誘います。(図3)

図1
図2
図3

木製家具の傷対策

木製家具の傷を目立たなくするテクニック

木製家具に傷がつくと、塗装の下は白木のため、傷が目立ちます。特に濃い色に塗装された家具は非常に目立ってしまいます。

ヒントとサンプル 

①メラミンや塩ビ、SUS等を大手に使用すれば傷つきにくくなります。
②濃い塗装色にする場合は、小口の無垢材にウォールナットなど、元々濃い色の材種を使用する方法もあります。ただし、コストは高めになります。(図1)
③黒い家具に白い大手など、デザインで工夫すると良いでしょう。(図2)

図1
図2

壁面に取り付けた装飾がぐらついてしまいます。何かよい方法はないでしょうか?

紐で取り付けるのではなく、ドッコ式という落とし込みによって取り付ける方法があります。金物と木がありますが装飾物と壁面にそれぞれ取り付け固定するものです。しっかり固定されるためズレや盗難防止にもなりますが、壁面に金具を取り付けるためにビスを打ち込んでしまいます。

置き装飾の転倒、ずれが気になります。何かよい方法はないでしょうか?

転倒防止用のジェルシート、もしくはミュージアムジェルをお勧めいたします。ジェルのほうが装飾自体にしっかりとくっつき固定されるため、より倒れ難くなります。

倉庫で眠っている絵画や置物を利用して館内に飾りたい。上手く利用する方法はありますか?

絵画であればフレームをモダンなものに作り替えたり、古い着物をフレームに納めて再利用するなど利用方法はあります。使用できそうなものを確認し館内にどのように飾るか検討の上装飾業者等へ製作依頼をすることが可能です。

装飾はどのように決定していくのでしょうか?

空間に対した寸法・イメージを作成の上、製作方法を考えます。装飾業者にそれらを作らせる場合もあれば、家具業者に製作を依頼する場合もあります。

表示面の文字・ピクトの種類にはどんなものがありますか?

以前は数量がある場合はカッティングシートで製作するのがローコストでしたが、最近ではコンピュータージェットプリントによって少量でもローコストで表示部分を製作できるようになりました。また、立体的な表示には木材や金属類を使用した切文字・箱文字を使用します。

行灯サインを置いているのですが、和紙がすぐに破れてしまいます。どうしたらよいでしょうか?

強化和紙のようなものを使用します。和紙と同じように暖かな光を通し、見かけも和紙に近い表情の素材です。これらは指で穴を開けたり、転倒しても破れるようなこともありません。

サインの表示がわかりづらいとお客様から言われました。どうしたらよいでしょうか?

文字の大きさや、寸法を見直す必要があります。実製作を始める前に一度実物大で版の大きさ・文字の大きさなどを確認されるとよいかと思います。実際の寸法で確認すると、意外と文字が見えづらいことや逆に大き過ぎたりというような事が事前に確認ができます。

カーテンの遮光性能について教えて下さい。

遮光性能はNIF(日本インテリアファブリックス協会)により1~3級まで等級が定められており、1級が最も遮光性能に優れています。客室等で完全に暗転させる必要がある部屋には1級の製品を用います。表地に遮光性能のないものを用いる場合、裏地に遮光裏地を用いれば遮光性能は確保されます。尚、1級は人の顔の表情が識別できないレベル、2級は人の顔や表情がわかる程度、3級では人の表情はわかるものの、事務作業をするには暗いというのが目安です。

既存の特注カーペットを別の場所に敷く事は出来ますか?

範囲にもよりますが、剥がしたカーペットを保管し、他の場所に施工する事は可能です。宴会場の特注カーペットを会議室に敷き替える事もあります。経過年数によっては下地のみ新規で取り付ける必要があります。

カーペットが汚れてきました。敷き替え方法にどのようなものがありますか?

既存の下地関係は状態が良好であればそのまま利用が可能です。(経過年数や敷き込み範囲も影響します。)もし汚れがよく出やすい空間であればタイルカーペットなども敷き替えが簡単で長く使えます。輸入カーペット等タイルカーペットでも現在は意匠性のある様々な柄があり、レストラン、客室等で施工している例もあります。

カーペットとフローリング、石仕上げの切り替え部分はどのように仕上げるのですか?

見切り金物(ステンレス製)を取り付けます。石や塩ビタイル床等とカーペットの取り合いについては床のレベル関係の調整が不可欠です。家具工事と建築工事どちらでも施工できますので区分を明確にする必要があります。

扉近くにラグを置きたいが注意する点は?

カーペットを敷き替える場合、その厚み寸法によっては扉が開かなくなる事があります。事前に仕上がり寸法や扉の開閉方向を確認の上、支障がないようにしましょう。

カーペットを特注したいがどのように色の確認やデザインの確認をするのでしょうか?

専門のカーペットデザイナーがイメージやカラーを吟味してデザイン画をおこします。色につきましては出力物では表現に差異が生じるため、毛ボンテンといわれる実際の染色糸にて確認をし、最終的には2~3週間程度の製作期間にて試織サンプルを2度程度確認頂き(工期による)、決定致します。

カーペットを敷いたら静電気が起きやすくなりませんか?

カーペット施工時に静電気防止フィルムを敷き込む事によって若干軽減されますが、帯電防止性能を持った糸を使うとさらに静電気が起きにくくなります。

階段にカーペットを敷きたいが注意する点は?

階段の段がわかりにくくなり、また滑りやすくなるため、踏み面先端にノンスリップを取りつける必要があります。木製、金属製があります。

敷きこんだカーペットに染みのようなものがでました。これはなんですか?

通称『クモ』と呼ばれ、原因はわかっていません。湿気の問題や糸の撚りの強さに関係している等、様々な諸説があります。問題を回避するにはカーペットに無地の部分が少なければ出にくいとされています。 品質に問題はありません。

カーペットの製作工場はどこですか?

メーカーによって様々ですが国産の場合は近畿地方に多くの工場があります。近年ではタイや中国でも生産しており、品質が向上してきています。

カーペットの製法と特徴を教えて下さい。

カーペットの製法と特徴を教えて下さい。

種類 特徴 ㎡単価の目安 色数 ループの可否 パイル長 標準的な密度 最低ロットの目安
フック 最も高級な製法でホテルのロビーなどに使われる。色柄パイル形状等が自由になる。 ¥25,000~35,000 無制限 10~15 4800~5400粒 少量可
アキスミンスター 色数が12色まで使えるので多色柄の場合には最も適する。 8,500 12 × 7~12 7羽×9段 150㎡
ウィルトン 製法的に最も堅牢なカーペットで高品質。 8,500 5 7~12 8G×8ST 150㎡
(インロック・金華山織・純金織) ウィルトンの一種でその柄の特徴によってこの製法を採用する。 11,000 4 7~12 8G×8ST 150㎡
タフテッド 既製品はほとんどがこの製法。大量生産に向く。 ¥3,000~¥6,000 3 5 1/8G×8ST ¥3,000/㎡なら300㎡
(タピストロン) 少ロットから対応できるタフテッド製法のひとつで直線柄以外に向く。 6,000 6 × 7~12 1/8~1/13 200㎡
(カラーテック) 少ロットから対応できるタフテッド製法のひとつで直線柄に向く。 6,000 6 × 7~12 1/7又は15/32 200㎡

飲食施設のテーブルの天板はどのような素材が適切なのですか?

木製であればムク材(集成材)・単板貼り(練付)・メラミン化粧板貼りなどがありますが、傷や汚れに対して最も強いのはメラミン化粧板貼りです。その場合、耐久性や意匠性を考慮して小口(端部)にムク材を回すのがポイントです。ホテル・旅館の飲食施設であればメラミン化粧板をお勧めします。その他の素材として石材や人工大理石などもありますが木製に比べて価格は高めになります。

家具がぐらついて困っています。どうしたら良いでしょうか?

建築物の床は基本的に平らになっていないと考えて設計をします。(実際にほとんどの現場では平らになっていません)そこで家具の底部(脚ものであれば脚の先端)にアジャスターという金物を取り付けます。これはねじ込み式になっており、自分で高さを調整できるように作られていますので、そのアジャスターを調整すればほとんどのぐらつきは解消されます。既存品にも取付可能です。

イスの張り地がすぐに汚れてしまいますが汚れにくい素材はないでしょうか?

イスの張り地には大きく分けて布系とレザー系があります。布系は質感が良いが汚れやすいのが欠点です。レザー系は本物の皮革では高価過ぎるので通常はビニールレザーを使用しますが、汚れに強い反面、質感がややチープになってしまいます。そこで背面を布張り、座面をビニールレザー張りにする事によって、最も汚れやすい座面のメンテナンス性を考慮しつつ背面で質感を出してグレードをキープする工夫をします。どうしても座面に布系の素材を使いたい場合はスコッチガード™等の保護剤を塗布する事をお勧めしますが、永久的にその効果が続くわけではありません。

椅子の劣化が著しい。長く使える仕様とは?

椅子の張り地も組成の強いものを選び、肘掛部分には木部を用いて保護すると長持ちします。レストランなど椅子の使用が激しいところでは頭の当たる部分はビニールレザーにする等張り分け方法に工夫すると良いかと思います。

家具によるシックハウス(揮発性有害物質)対策はどのようにしてますか?

ホルムアルデヒド発散量の少ないF☆☆☆☆の材料を使用し、またクロルピリホスの使用は全面的に禁止します。それらは合板・接着剤・塗料についてF☆☆☆☆認定書・出荷証明書等の資料を提出するよう納入業者に義務付けます。

特注家具に使用する木材で注意する点を教えて下さい。

原則JAS規格によるものとし、見えがかり・見えかくれ部共すべて芯去り・無節・ねじれ入り皮・乾裂・くされ・虫害がない良材である事を確認します。

木材の含水率はどのように監理していますか?

含水率は人工乾燥によって8%まで乾燥し、加工時において12%程度に安定したものを使用します。但し無垢材の接ぎ合せ部分は人工乾燥によって5%程度まで乾燥するようにします。

フラッシュパネルを使用する上で注意する点を教えて下さい。

フラッシュパネルには軽量化と堅牢さを持たせるために心材にハニカムコアを使用するようにします(但し構造上困難な場合は木製下地のみでも可能)。その場合心材にはねじれが生じないような材を選定し、下地中骨の見付けは45mm 間隔100mm程度とします。

壁につけるコンセントと家具につけるコンセントの違いはありますか?

家具の場合、デスクのように天板につける場合はホコリが溜まり、火災の恐れがある為、フタ付のものを使用します。

ステンレスの表面仕上げは何がよいのでしょうか?

鏡面だと傷・凹凸・指紋が目立ちますので、ヘアーライン♯120がよいと思います。

椅子を動かすので、フローリングの傷がきになります。なにか解決方法ありますか。

フローリングの傷防止にはソフティー(フェルトのついたプラパート)が効果的です。
滑りやすくするにはスベイリー(高滑特性のフッ素樹脂製)、カーペットの上を移動させ易くするのはすべり鋲です。

家具のスチール部分に色をつけたいのですが、はがれにくい方法を教えてください。

スチール金物には一般的に耐久性を考慮してメラミン焼付塗装を施します。

キャスターを選ぶにあたり気をつけることありますか?

キャスターは必要耐力を十分検討した上で適切な製品を用います。また、車輪部分の材質・色と床の相性により床に色映りする場合がありますので、使用箇所を考慮して選定するのが良いと思います。

金物を使う場合の注意点は?

金物等取付け副資材はJIS規格があるものにし、必要耐力の3倍以上の耐力を有るものを使うようにすると後々で問題が起きにくいと思います。

引き出し用のスライドレールを選ぶ際のポイントは?

スライドレールを選ぶ際、使い勝手により適したスライドレールを選びます。例えば、シルバー類などの重いものを収納する場合、重量用の製品を選択する必要があります。また、引き出しを全部引出して奥まで見えるようにしたい場合は100%引き出せるタイプの製品を選択する必要があります。

無垢のテーブルを使う場合気をつけることは

無垢材を使用する場合は反りが生じないよう、十分な対策を講じます。特に無垢材を接ぎ合せて使用する場合は本実継ぎとし、木表・木裏交互に組み合わせ、必要に応じて吸付桟・ちぎり・ボルト締め等を施します。

ベンチシートがすぐへたってしまいました。へたり難くするにはどうしたらよいでしょう

クッション材料は座り心地を十分考慮し適切な材料を用いいます。硬度の違うウレタンを3種類以上詰め込み、また端部にはすマイクロチップ等を用いて座り心地を良くします。

外部に置く家具で耐久性のあるものありますか?

木製でしたら、船の甲板にも使われているチーク材です。ただ、紫外線によって次第に色味が飛んでグレー系になります。
メンテナンスとしてオイルを塗りこむと退色を遅らせる事出来ます。またひどく汚れた場合はサンドペーパーで表面を落とし、オイルを塗りなおせばきれいになります。
最近はラタン風の樹脂テープ(PVCテープ)を編んだ家具も増えてます。これは樹脂ですので汚れたらホースで水をかけ、拭けばきれいになるので比較的メンテナンスが楽です。ただ、安い樹脂テープをつかったものは紫外線で劣化しテープが切れる事例もありますので特注で作る場合は樹脂テープの強度を確認したほうがよいと思います。切れた場合は補修できません。

家具の適当な寸法を教えてください。

使用用途・デザインによってさまざまですが、基本的な寸法は以下の通りです。

場所 アイテム 推奨寸法 備考
レストラン ダイニングテーブル(4人用) W1500×D850~1000×H700 料理によって異なる
ダイニングチェア座面高さ SH400~430 下足と上履きとで異なる
サービス台高さ H800~900  
受付台高さ(客側) H950~1050 物書きをする場合
ビュッフェ台高さ
奥行き
H750~850(子供用650) D600~700 旅館であれば低め、 
ホテルであれば少し高くてもよい
客室 ティーテーブル高さ H400  
リクライニングチェア・ソファ高さ SH380  
座卓高さ H330~350 座椅子・座布団利用の場合
TV台高さ H400前後 座椅子・座布団利用の場合
ベッド(洋室)高さ H520前後 商品計画の方針やベッドメーカーによる
ベッド(和室)高さ H380前後  
ライティングデスク高さ H700~750 車椅子利用者用の部屋は高め

日本と中国の家具製作の違いを教えてください。

国内の工場と比べても同等レベルの技術を中国の工場も持ち始めていますが、厳密な監理を行わないと仕上げ等がこちらの意図と違ってしまうこともまだありますのでそのようなことがないように納入業者にはきちんと最後まで製品管理を行うよう徹底してもらう必要があります。また、金額についてはおおよそ3~4割は日本製作よりも安いため大量に製作する場合は輸送費を換算しても中国製作のほうが安くなります。 製作開始から納品までの期間については日本で40日前後、中国は50日程です。(但し製作の数による)

納品までどのくらいかかりますか。

大まかなスケジュールは以下の通りです。(※規模による。また、日本と中国製作により変動あり。)

  • 実施設計 15~30日
  • 現場(図面)説明~業者決定 20~30日
  • 製作準備(仕様決定、製作図承認)30日
  • 発注~製作 40~50日
  • 納品1~7日

特注家具はどのような手順で製作するのですか?

まず設計図に基づいて製作業者が1/10スケールの製作図を作図します。さらに部分詳細図が必要であれば1/1スケールで作図してもらいます。それらを設計者が承認した上で家具製作工場に送り、その製作図を元に作成します。

家具類の引渡し時にはどんなものを一緒にもらう必要がありますか?

納品書・保証書・取扱説明書・鍵類・製作図製本・納品書(写真入で仕上げ材料等が明記された、一覧できるリスト)・付属工具類などをもらう必要があります。

畳椅子によるリビング空間づくり

畳の上の快適なくつろぎの場をつくる方法

従来の畳の家具と違い、リビングの椅子のように座面を高くし、かつ違和感なく畳の空間になじむデザインにします。
ヒントとサンプル

①窓際で家族や友人と団欒ができるよう、ソファベンチと肘掛ソファをセット。背面の和柄もアクセントです。(図1)
②ゆったりとお茶をしながら、脚を伸ばしてくつろいでいただけます。サイドテーブルもスッと近くに軽く引き寄せられます。(図2)
③すぐ脇にはベッドのあるシチュエーションでも、少し変わったソリのあるデザインの椅子とのコンビネーションです。(図3)

図1
図2
図3

客室での食事のしつらえ

テーマにあわせたシーンづくり

利用するお客様のニーズに答える、オリジナルなしつらえ。

ヒントとサンプル

①リビングのくつろぎの中で、お食事をするような感覚。食事の際は腰あてを沿え、理想の態勢でいただけます。(図1)
②家族旅行、お部屋でわいわいとみんなでお食事を。周囲に気を使わず団欒の時をお楽しみいただけます。(図2)

図1
図2

テーマ性のある客室備品のしつらえ

コンセプトを見せるおもてなし

客室備品をただ置くだけではなく、何かオリジナルのメッセージ性をもたせます。
ヒントとサンプル

①楽しいお茶の時間をご提供。「淹れ方」のしおりも添えて、会話も広がります。(図1)
②和室の片隅にささやかなお化粧コーナー。素敵な手鏡もご用意し、ちょっと特別な気分を演出いたします。(図2)
③お茶棚をイメージしたしつらえ。障子との相性もよく和のホテルらしい雰囲気をつくります。(図3)

図1
図2
図3

客室にいる時間を楽しくするテクニック

窓辺に遊びの空間をつくる

外部と一番近い窓辺に特等席をつくると部屋の印象が変わります。
ヒントとサンプル

①ラタンのハンモックを吊るし、遊びの要素をつけました。(図1)
②270度見渡せるお部屋のサンルームに、二人でもゆったりできるお昼寝ベッドを置きました。(図2)
③窓枠にカウンターを設けてオーシャンビューの特等席をつくりました。(図3)

図1
図2
図3

和室に似合うベッドのデザインテクニック

和室のベッドルーム

和室の一部にベッドを置く場合は、目線の低い畳から見て圧迫感のない工夫をすると良いです。

ヒントとサンプル

①板床の台の上にマットレスを置き、お布団のようなベッドのスタイルをつくりました。ナイトテーブル代わりにお膳を置いてもよいです。(図1)
②既存の和室のまま、床の間を改装しヘッドボードをつけました。横のラインを強調したデザインにし低めのプロショーションの印象にしました。(図2)
③やわらかい障子の光で圧迫感をなくしました。ヘッドボードの奥行きを広くし物を置けるようにして、ナイトテーブルをなくしました。(図3)

図1
図2
図3

水屋周りのセッティングテクニック

見せることと隠すことをうまく使い分ける

インテリアに溶け込むよう、茶器類も家具のひとつとして考えるセッティングを行うと良いでしょう。

ヒントとサンプル

①お茶だけでなくシンクやバーコーナーを設けることで、贅沢なプライベートバーコーナーとなります。(図1)
②お茶や水屋のセットを必要な分だけ見せるようにセッティングします。雑多な雰囲気がなく、雰囲気良くデザインされている印象を作ることができます。(図2)
③見えるところには置かず、引き出しの中に収納します。すっきりと無駄のないデザインになります。(図3)

図1
図2
図3

ロッカーの傷防止策

木目の扉を傷つけない、取手のアイデア

脱衣ロッカーなど、つまみや引手の形状によっては、扉を開け閉めするときに、表面材である練付け材やポリ合板に爪があたり、傷つきやすくなります。 

ヒントとサンプル

①開けると抜けない鍵を選び、引手代わりにすると、扉表面に爪があたりにくくなります。また、根元は鍵の受け金物なので、爪が当たっても傷になりにくいでしょう。(図1~2)
②扉の表面材を強度の高いメラミン化粧合板にすると良いでしょう。(図1~2)
③引手をプラスチックや金物などの大きめのものにする方法もあります。

図1
図2